- どのように使いますか?
1セット100枚(200語)の基本的な使い方の提案として記します。
20人クラスなら1セットで十分です。5人1組の4グループに分かれます。各グループで25枚の札を囲みます。リーダーを1人決めて読み上げてもらいます。教師は巡回するなど学習者の主体性に任せます。全員が読み手を経験できる学習にしてください。終わったら札の表裏返して再度プレイ。
- 語彙リストはありますか?
もちろんあります。
ただし、読み上げ語彙を毎回チェックするのは大変な作業になるので、目の前にある札をランダムに読み上げることをお薦めします。
- N1・N2保持者の多いクラスでは使えないですか?
使えます。むしろ上級者ほど“遊び方が広がる教材”です。
日本人にも試していただきましたが、
「普段使わない脳みそを使った」
「意外と難しくて面白い」
という感想をいただきました。上級者クラスでは、次のような“高度な遊び方”が可能です。
① ヒントから札を類推する遊び
例:「私はこれを読むのが苦手です。一般的に男性のほうが得意と言われています。これを見ても自分がどこにいるか分かりません。」
→ 答え「地図」
読み手が順番に交代しながら、全員がヒント出しにチャレンジしてください。② おでこに札を当てて「私は誰/何ですか?」ゲーム
周りがヒントを出し、答えにたどり着くまで推理を続けます。
例:「これがなかったら人は生きていけません。」
→ 答え「水」こうした活動では、瞬発力・語彙の運用力・説明力が問われるため、上級者でも十分に楽しめます。
文章中でキーワード(重要語句)を伝えると、学習者は冒頭から文章を読み返します。日本人なら一瞬で拾える語句も、学習者にとっては目に飛び込まないのです。どうすれば多くある漢字からキーワードを見つけられるのか?読解のスピードはキーワードを一瞬で識別する力を養うことが重要です。かるたはそのトレーニングとしても有効です。

- 読み手の視線でバレてしまいませんか?
札を決めたのち、目を泳がせるとバレません。
小さなコツですが、効果抜群です。また、リストを見て正解さを求めるより、学習者同士の会話で正解に辿り着くのが理想です。そのために、かるたを始める前に各グループで読み方の確認をしておくことをお勧めします。
- 札の表裏はどんな関係がありますか?
表裏は反対語や関連語を配置する工夫を施しています。
これにより遊び方(学び方)が広がります。取った札の裏には何が書いてあるかを類推して当てても良いですし、表と裏の言葉を繋げて短文を作るのも良いです。グループで1枚の札を囲んで1人ずつ文を作る。他の人と同じ文ではダメ。このように順番で発表すると盛り上がります。ストップウォッチで時間制限を設けると引き締まります。もっと違う使い方を発見しても良いと思います。
- 漢字圏の学習者でも効果はありますか?
もちろん効果はあります。
漢字圏の学習者の悩みとして、発音が苦手ということをよく聞きます。読み方が覚えられない人が意外と多いのが実態です。やってみたら普段静かな漢字圏学習者が一気に生き生きし始めることがあります。見慣れた漢字でも読み方になるとハードルが高いのです。でも、漢字圏として負けられないという闘志が湧いてきます。また、クラスの中で漢字圏の学習者が一目置かれる瞬間が生まれます。漢字圏学習者VS非漢字圏学習者の団体戦になるとさらに盛り上がり、クラスに一体感が生まれます。
- 大人の学習者も使えますか?
そもそも子供を対象とした設計ではありません。(お子様ももちろん使えます)
実際に大人の方のみでも大変盛り上がります。初対面の大人同士でも話しやすく、アイスブレークとしても、自然に発話が促される設計になっています。普段物静かな大人の学習者さんであっても、札の取り合いになると本気になります。眠っている人間共通の本能が動き出す、その瞬間に立ち会えることは教師としての喜びです。
- 対話や会話の習得が主な目的で、学習者さんのレベルもバラバラです。かるたのハードルは高いと感じます。
このかるたの”良さ”は札の言葉をきっかけに自然に会話が生まれることです。
教師が設定した場面ではなく、偶然に手にした言葉から、学習者自身が主体的に「知っていることを話したくなる」気持ちが湧いてきます。知っている人が知らない人に教える。偶然に生まれるインフォメーションギャップにより会話が自然に生まれます。レベル差があるクラスでは取り合う必要はなく、札を見ながら知っていることを教え合うだけで会話の芽が自然に育ちます。そして、普段あまり口を開かない学習者が札をきっかけにふと話し出すことも見られます。その瞬間に立ち会えることがこのかるたの魅力です。
日本在住の外国人にとっては理解できる言葉、漢字が増えることは生活の質が上がるということでもあります。会話の習得が第一としても「漢字」が読めることも日本社会の一員としては必要かつ重要と考えます。
- 語彙ごとにイラストがあった方が覚えが早いのでは?
敢えて個別のイラストなしで作りました。
幼い子供は最初の一文字を聞いただけで取ります。それは文字ではなく、絵で覚えてしまうからです。学習者にとって漢字はそもそもが絵です。だからこそ、その絵のまま覚えて欲しいと願って敢えて個別のイラストを添えませんでした。ただし、札の隅にはちいさな共通の絵を配置しています。夏札はカエル、ひらがなの札はおにぎり、などです。それは文字の上下がまだ不安な学習者を支えるための補助輪のようなものです。タイ語やアラビア文字がわからない方は思い浮かべてみたら想像しやすいと思います。
- JLPTの勉強になぜかるた?
読解の授業で気づいたことがあります。
文章中でキーワード(重要語句)を伝えると、学習者は冒頭から文章を読み返します。日本人なら一瞬で拾える語句も、学習者にとっては目に飛び込まないのです。どうすれば多くある漢字からキーワードを見つけられるのか?読解のスピードはキーワードを一瞬で識別する力を養うことが重要です。かるたはそのトレーニングとしても有効です。
